院長:田崎 茂(精神科専門医、精神保健指定医、認定産業医)

 

じめまして。2007年12月1日から「医大前メンタルクリニック」として、夜間診療を開業しました。当面は週2日ですが、だんだんに診療時間を拡大していけたらと思っています。よろしくお願いいたします。

は東京医科歯科大学を卒業後、これまで30年間、自治医科大学病院精神科を皮切りに、一貫して精神科病院に勤め、外来診療にも当たってきました。

神科病院の入院患者さんのほとんどが統合失調症であるのとは対照的に、外来を新しく訪れる患者さんの大半(ざっと9割)はうつ病系列の方々です。大雑把に言って、最初に何らかのストレスにさらされ、やがて様々な身体的不調(全身倦怠、頭痛、肩こり、めまい、耳鳴り、不眠、多汗、吐気、下痢、便秘等々)が現れ、そこからうつに入っていくという系列のいずれかの段階に属する人達です。この系列には一つの枝分かれがあり、ストレスからうつに行くかわりに、狭義の心身症(精神的要因によって身体疾患が引き起こされる病態。気管支喘息、高血圧、消化性潰瘍、過敏性大腸症候群、慢性蕁麻疹、甲状腺機能亢進症等々)に発展するパターンがあります。

代日本のうつ病治療の最大のスキャンダルは、こうした患者さんたちへの対処を軒並みの専門家たちが間違えているということです。これはもちろん、最大の原因は、当の医師の能力不足によるものですが、それに加えて、今日の精神科医療の指導的な基本指針が根本的に誤っていることにも一因があると思われます。

の基本指針はEBM(根拠にもとづく医療)といわれるもので、通常の大学での教育現場でも、圧倒的な権威をふるっています。これはちょっと反省すれば、大して「根拠」もない、天下りの偏見を、さも「根拠」にもとづいているかのように祭り上げる、二重の意味で悪質で罪深い、子供だましのトリックにすぎませんが、大多数の専門家が頭からこんなチャチなものを信奉して、疑うことを知りません。

の指針の最大の誤りの一つが、うつ病に関するものです。

まり、この指針によれば、うつ病の第一選択薬はSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)とされているのです。しかも、これを大学教授のような肩書きを持った権威筋(恐らく一部は製薬会社のヒモつき)が、大学はおろか、マスコミを通じて吹聴しているのです。しかし、権威を盲信すべきではありません。

は初診の場合、うつ病の手前の身体不調から相当程度のうつ病まで、原則として、最初からSSRIはもちろんのこと、抗うつ薬を使うことは一切ありません。(ただし、その必要が出てくれば、有力な武器として使用をためらう理由はありません)よりマイルドで、副作用の少ない抗不安薬(もちろん種類は厳選)で9割の人は改善してしまうからです。この理由としては、抗不安薬自体のあるものに抗うつ効果があることが指摘されていますが、私はそれ以上に、これらの薬がストレスを受ける脳の特定部位(大脳皮質、視床下部、辺縁系等)の耐性を上げ、ストレスを緩和するためではないかと考えています。つまり、ストレスに端を発する障害のその大本を叩こうというわけです。

て、よりマイルドな薬でなおる病態に、より強い薬を使う必要があるでしょうか。もちろん、ありません。過ぎたるはなお及ばざるがごとし、です。現在、SSRIの代表的な薬として、猫も杓子も内科医も使うパキシルは、全身倦怠、吐気、イライラ、攻撃性等の副作用も少なくありませんし、それを我慢して使い続け、タチの悪い依存を引き起こした例も数多く見てきました。こういう薬は他に方法がない場合を除いて、使わないに越したことはないのです。医師は、たやすく毒にも転化しうる強力な薬を使用するにさいしては、十分に禁欲的であらねばなりません。

日、真に嘆かわしいことは、心療内科・精神科治療の恐るべき荒廃ぶりです。製薬資本による汚染がこれに輪をかけています。

はこれまで、多くのこの分野の医師の仕事ぶりを目にする機会がありました。また、多くの患者さんが他の医師から紹介されたり、本人の意志で私のもとを訪れてきます。そうした紹介状や処方を見て、何の屈託もなく、「いいね、完璧だね。この先生から放れちゃダメですよ」と言えたら、どんなにいいでしょう。

かし、実際にはそんなケースはせいぜい百に一つです。笑いごとでないのは、患者さんの不調の犯人は、推理小説さながら、一番怪しくない人、つまり医師自身の無秩序で混乱した投薬であるケースが実に多いのです。そういう医師の中には、東京の名門大学の教授、名門病院の医師がいくらでもいますが、それも今日の精神科教育の実態を考えれば、むべなるかなです。

のクリニックにおいでください。初診の方はもちろんのこと、セカンド・オピニオンとしても、どうぞお気軽に当院をご利用ください。心よりお待ちしております。