一つの田舎芝居が終わった。われわれはもう、麻生太郎という三文役者の、無内容を糊塗する、だらしない語尾延ばしの演説につきあう必要からは解放された。初代が作ったものを三代目がぶち壊すという、お決まりの図式を、この人は身をもって実践してみせた。しかも、ご本人は、敗因が自分にあるという自覚がさっぱりない、幸せな性格の御仁であるから、何をか言わんやである。私を含めて、あの顔を二度と見たくないばかりに、どこの馬の骨ともわからない、民主党のなまっちろい青二才の名前を書いた有権者も、少なくなかったのではないか。麻生政権初期の、まだ支持率がそこそこあるころに解散していたら、これほど取り返しのつかない惨敗を喫することはなかったであろう。ところが、この無能な三代目は、やればやるほどダメなのである。
さて、一難去って、また一難。今度は民主党である。ここの幹部は軒並み、脛に傷持つ人たちである。特に菅直人氏は、始め薬害エイズ問題で輝かしい出発をして、大きな期待を抱かせたが、その後、女性問題、さらに年金未納問題とお詫び行脚で、さっぱりいいところがなかった。岡田克也氏は清潔なイメージだが、4年前の小泉郵政選挙でしてやられた、青ざめた顔が忘れられない。小沢一郎氏はやはりどす黒い。田中角栄と同じことをやっている。秘書が公共工事への口利きを餌に、企業に献金を強要した疑いが発覚し、彼は代表の座を降りた。最後に鳩山由紀夫氏であるが、この人はやはり何かミスを犯して、一番手から外れたような覚えがあるが、それが何であったか、よく思い出せない。この人の話はいつもモヤモヤして、どうもはっきりしない印象だ。総理大臣になるだけのリーダーシップがあるだろうか。小沢一郎氏の操り人形になるには、絶好のキャラクターだが。しかし、これらの人たちの力量については、今後、いやというほど検証させられることになるであろう。
民主党政治については不安も大きいが、期待がないわけではない。中でも、第一に、自民党がついにメスを入れられなかった公務員改革はしっかりやって欲しい。「官僚の官僚による官僚のための政治」はもう沢山だ。天下りは合法的な収賄である。国民はこうした穀潰しのために血税を払っているわけではない。第二に、すでに破綻している年金制度を抜本的に改革してほしい。払わない人が多く、払っても払わなくても許されるというような、いい加減な制度では、破綻するのが当然である。これについては、大分前に小沢一郎氏が提案したモデルが、最も妥当なものに思われる。年金問題当時の菅直人氏も、「未納3兄弟」などとくだらない揚げ足取りをしている場合ではなく、問題の根本の制度の欠陥をこそ、鋭く糾弾すべきだったのだ。さて、以上二つの大問題を解決できれば、民主党政権には十分存在意義があったといえよう。国防問題、また、それ以外の多くのばらまき的な施策には、心配なものも少なくないが、しばらくお手並み拝見と行くしかあるまい。
最後に、医大前メンタルクリニックの現在について書いておこう。8月は仙台、松島旅行をしたり、神戸の精神神経学会に参加したりしたので、大分診療日が少なく、新規患者数が伸び悩み、目下の新患ナンバーは87番である。10月からは月曜日も診療日に加えますので、ますますお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
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